ASUSスマホでローカル5Gを体験!~都立大ローカル5Gを活用した実証実験の体験会~
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2021年12月15日に東京都立大学南大沢キャンパスで行われた「ローカル5Gを活用した実証実験の体験会」へ参加したため、軽くだがイベントレポートを行いたい。なお、筆者のスケジュールの都合上、十分体験することは叶わなかったが、短時間であってもローカル5Gを体験出来た喜びは大きかった。
イベント風景(掲載の許可は得ている)
イベント内容としては①バーチャルキャンパスマップの体験、②リアルタイムVR配信の体験の2点だが、時間の都合上筆者が体験出来たのは①のバーチャルキャンパスマップの体験のみであった。
代わりに現在試用中のASUS EXP21 Smartphoneを用いてローカル5Gを実際に体験させていただいた。
今回のイベントレポートでは、EXP21 Smartphoneを用いたローカル5Gの測定をメインにお伝えするが、一応ARマップもレポートしたい。
目次
東京都立大学ローカル5Gについて
はじめに、都立大のローカル5Gについて触れていおく。同大学では、東京都の「『未来の東京』戦略」の取組の一環として、日本最大級のローカル5G環境を活用した研究を実施している。また、少なくとも南大沢キャンパスにおいては4.7GHz帯と28GHz帯のローカル5G帯域でスタンドアローン運用されており、11号館と12号館では5G-SAサービスを利用したWi-Fiサービスも提供されている。
都立大においてローカル5GをWi-Fiに変換して運用している様子
(南大沢キャンパス12号館102号室にて2021年6月1日 筆者の手によって撮影)
今回の実証実験も同様にローカル5Gを専用のポケットルーターで受信しLANケーブルでWi-FiアクセスポイントにWi-Fiとして飛ばしている。
ローカル5Gの送受信はポケットルーター(左図)で行い、
それをWi-Fi AP(右図)でWi-Fiとして飛ばしている。
ローカル5Gのポケットルーターとして使われているのはおそらくAPAL社の製品だ。https://www.apaltec.com/ja/mifi/
ARマップについて
バーチャルキャンパスマップ(ARマップ)の体験では、iPad(無印)越しに現実空間を覗き、それを上書きする形でキャンパスマップを表示することが出来た。
画面越しに(ナビではなく)3Dマップを表示することの意義はよく分からないが、コンテンツとしては面白いものであった。開発者の方にお話を伺ったところ、このアプリはタイムルーパー合同会社の開発パッケージを使って作成されており、同様のコンテンツをGoogle Play StoreやApp Storeでダウンロード出来るとのことだった。日本向けコンテンツだとヒロシマの記憶ARなどが利用出来る。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.timelooper.xplorehiroshimajap
また、ARで表示するに際して、床の認識はiPadのARKitを用いているとのことだった。貸し出された端末はシングルカメラのiPadだったが、LiDARスキャナーを搭載したiPad ProやiPhone 13Proなどであればもっと早く正確に床面を認識出来そうだ。(実際、貸出機だと床面を正しく認識出来ていなかった)
都立大学のキャンパスマップではなく「ヒロシマの記憶AR」であればお手持ちのスマートフォンで体験することが出来るので、気になる方はそちらをご確認いただければ幸いだ。
ちなみに、本体験はローカル5Gを活用した実証実験の一環であるはずだが、今回ARマップに用いられたのはSoftbank回線をWi-Fiに変換したものであって、ローカル5GをWi-Fiとして使っているわけではなかったのが大変残念である。
ローカル5Gだけでなくソフトバンク回線も使われていた
ローカル5GをWi-Fiに変換して用いるのは既に同大学で行われていることであり、実際会場でも一部端末はそのようにして運用していたが、規模の都合上すべてをローカル5Gで賄うのは難しかったということだろうか。
余談:ZenFoneARを偲ぶ
完全なる余談だが、AR/VRコンテンツをスマホで体感するたびに、ASUSのZenFone ARのことを思わずにはいられない。深度情報を得るために専用のToFセンサーを搭載した同スマホは未来を先取りし過ぎていたと。結局、Androidスマホにおいては赤外線を照射するタイプの専用深度センサーは流行らず、より安価な光学式の深度カメラか機械学習での深度情報の獲得がメインになってしまった。逆にAppleは専用のLiDARセンサを全面に押し出しており両者の違いについてもしみじみと思いを馳せるなどしている。本当に余談であり雑然とした感想であるが、書かずにはいられなかった。
EXP21を用いた都立大ローカル5Gの体験について
今回、ご厚意で(一時的にだが)ローカル5G用のSIMをお貸ししてもらったため直接ローカル5Gを試すことが叶った。
なお、使用したのは現在ASUS JAPAN様からレビュー用にお貸出しいただいてるEXP21 Smartphoneである。借り物に借り物を重ねてしまう形となるが、これも何かの縁だろう。EXP21に関しては後日レビューを公開予定である。
EXP21 Smartphoneに関しては後日レビューを掲載予定
接続に際して必要十分となるのは(もちろんローカル5G SIMと)APN設定となる。APN設定だけでは繋がらなかったため、*#*#4636#*#*で、携帯電話情報を表示させ、「無線バンドを選択」→「Japan」に設定するなどした。その他の設定に関しては写真の通りである。
ローカル5GのSIMを挿しAPN設定を行った。
5G設定
使用したバンドは都立大学を含むローカル5Gに用いられているn79である。
EXP21で都立大のローカル5Gを受信している様子
都立大学はこのn79だけでなく、同じくローカル5G用に割当られているn257(28.2G~29.1GHz)も用いてスタンドアロンの5Gネットワークを構築しているはずだが、n257は今回の実証実験には使われていないそうだ。(活用自体は同大学で行われている)
ローカル5Gの速度について
Ookla社のSpeedtestは大学側でアクセスが制限されているのか測定が行えなかった。そのため、Googleのインターネット速度テスト機能を用いて測定を行った。
残念ながらSpeedtestを使っての速度測定は叶わなかった
結果はレイテンシが84ms ダウンロード速度が71.2Mbps アップロード速度が14.0Mbpsであった。
Googleのスピードテストはサーバー負荷軽減のためか上限が厳しく良好な環境でも大した速度は出ない。とは言え今回のケースではサーバー側のボトルネックが発生したというよりか、単に回線の問題に思える。
速度が振るわなかったのは、それに加えて屋内であったのも原因だろう。
その他のローカル5G体験について
EXP21 Smartphoneを用いたローカル5Gだけでなくローカル5Gをイーサネットに変換するアダプタも試すことが叶った。
ローカル5GUSBドングル
接続したのは筆者のiPad Pro 12.9インチ第5世代である。
ローカル5GUSBドングルを用いてスピードテストをするも結果は振るわなかった
やはり速度は振るわなかった。
最後に
尻切れトンボ感が否めないが、だらだらと感想を書いてもなぁということで、この辺で終わりにしたい。今回のイベントを開催した東京都立大学と毎度毎度お世話になっているASUS JAPANに深く感謝を述べこのイベントレポートを締めくくることにする。
余談: ブログに載せて良いかの確認を取る際に、「もしかして5G関連のブログ記事を書いている人ですか?」と聞かれたのが面白かった。電測界隈には生息していないただのひよっこガジェットオタクのPottalです。はやく、「あの」Pottalさんと呼ばれるような大手になりたいものだなぁ。