ROG PhoneとRazer Phone2 買うならどっち?
この記事は、はてなブログ時代(旧Pottal-Portal)の記事で、アーカイブを目的に公開しているものです。
情報は古くレイアウトも崩れています。
必要に応じて、順次リライトや最適化を行っていきますので、今しばらくお待ち下さい。
ゲーミングスマホRazer Phone2発表!
言わずと知れたゲーミングブランドのRazerがRazerPhoneの後継機、Razer Phone2を発表しました。
また、ASUS Japanも日本国内向けにROG Phoneを正式発表いたしました。ROG Phoneの先行レビューはこちらをご覧ください!
RazerPhone2 画像は公式(https://www.razer.com/mobile/razer-phone-2)より
Razer Phoneと言えば今まさに競争が激化している「ゲーミングスマートフォン」の火付け役となった存在でまさに元祖ゲーミングスマホと言える存在です。(Xperia Play?いえ、知らない子ですね…)
RazerPhone2のスペックについて
ROG PhoneとRazerPhone2の比較をする前に、まずはRazer Phone2のスペックについて確認したいと思います。
光る!これぞゲーミングスマホ!待望のChromaLED
さて、このRazer Phone2、最大の特徴は光ることでしょう!え?だってSnapdragon845でRAM8GBなんてのは2018年のゲーミングスマホとしては当たり前ですし、120Hz駆動のIGZO液晶ディスプレイはRazer Phoneでも採用されていたので驚きもありません。
やはり、ゲーミングを名乗るなら光らなきゃ駄目です。その点に関して言えばRazer Phone2で初めて「ゲーミング」スマホになったと言えるかもしれません。
まあ、冗談はさておき「光る」というのはRazer Phone2のアピールポイントの1つであります。Razerお馴染みのChroma LEDで背面ロゴを自在に光らせることが可能です。実用面といたしましても通知用のランプとして使えるので「ゲーマーは無駄に光らせたがる」と揶揄されることもないでしょう。
ゲーミングを名乗るなら光らなきゃダメです。画像は公式(https://www.razer.com/mobile/razer-phone-2)より
防水対応!
さらに、前作との違いといたしまして防水対応が挙げられます。IP67なので、「細かい塵も内部に侵入させず防水機能としては1mの水に30分間浸けても大丈夫」という規格になります。
ゲーミングディスプレイ並の液晶
RazerPhone2は真の120Hzのスクリーンを備えた唯一のスマートフォンとのこと。リフレッシュレートが120Hzなだけでなくタッチサンプリングも120Hzだそうです。
また、画面の明るさも改善され380nitsから580nitsとなりました。
Project Lindaへの対応は?
前作Razer PhoneはProject Lindaというドッキングデバイスに対応してました。(Project Lindaのほうが後発ですので、LindaがRazer Phoneに対応しているというのが正しいですが)
これは、ノートPC型のタッチパッドにあたる部分にRazer PhoneをドッキングさせてRazerPhoneの画面をLindaのモニターへ映しRazerPhone自身はタッチパネルもしくはセカンダリディスプレイとして活用するという面白い製品です。
画像は公式(https://www.razer.com/projectlinda)より
RazerPhone2が今回これに対応するのかは分かりませんが、スペックシートを比較した限り形や寸法そのものがそこまで大きく変わっていない(横幅が1.3mm、厚さが0.5mm増しただけ)ですし、そもそもProject Lindaがコンセプトモデルでまだ発売されていないこともあり十分対応の余地はありそうです。
ROG Phone vs Razer Phone2:スペック比較!ROG Phoneの勝ちでは…?
RazerPhone2は後発なので、どうせならSnapdragon855(Snapdragon8150?)の発表を待ってそれを搭載すればよかったのに…という気がします。ゲーミングスマホとして戦うにしては特にパッとしない(もちろん最上位の世界ではという話です)スペックです。が、まあROG Phoneと項目ごとに比較しここが勝ってる勝ってないとジャッジしたいと思います。
ROGPhoneとRazerPhone2のスペック比較表ver1.0 今後差し替える可能性があります。
自前のスペック表は取り急ぎ作ったものです。今後情報が入り次第更新する可能性があります。
また、RazerPhone2に関してはまだ分かっていないことが多いため抜けや不正確な部分がありますので参考程度にご覧ください。あくまで個人用に作ったためその内容の一切を保証しません。
SoC比較:オーバークロックしたROG Phoneの勝ち
RazerPhone2のSnapdragon845は定格駆動です。対してROG PhoneはSnapdragon845を2.8GHzから2.96GHzまでオーバークロックしています。Razerもそれがわかっているのか、GeekBenchのマルチコア比較にROG Phoneを出しませんでした。(同じASUSのZenFone5zは比較対象にあげてましたが)
ちなみに、このGeekBench4のマルチコアスコアRazerのグラフではRazerPhoneが9000~9100点となっていますが、ASUSのROG Phoneは9500点となっています。
asus ASUS_Z01QD - Geekbench Browser
(2018年12月28日追記:予測変換のせいでSnapdragon845とすべきところをSnapdragon855と書いてしまいました。誰にも突っ込まれなかったのでセーフ…ではないですね。すいません)
ディスプレイ:90Hz有機ELvs120Hz液晶
ここは意見が分かれるところだと思います。
RazerPhone2は5.7インチのIGZO液晶でリフレッシュレートもタッチサンプリングも120Hzとなっています。また、明るさの方は580nitsでHDRにも対応しています。
対するROG Phoneは、6インチAMOLED(有機EL)ディスプレイで、リフレッシュレートは90Hzで応答速度は1msです。タッチサンプリングは分かりませんが、HDRディスプレイと有機ならではの色域の広さを謳っておりDCIP3カバー率は108.6%となっています。明るさはRazerPhone2にやや劣る550nitsとなっていますが、十分に明るいと言えそうです。
さて、このリフレッシュレートですが、現在の主流は60Hzとなっており90Hzや120Hzに対応するアプリはまだそんなに多くありません。今後、対応コンテンツが増えてきたらその恩恵を十分に与ることができそうですね。
防水性能:RazerPhone2の勝ち
RazerPhone2はIP67の防塵防水性能を備えます。対するROG Phoneは…前回の記事でも書いた通り防水性能がいまいちはっきりしません。
ASUS JAPANの公開した動画ではIPX5/7の防水性能らしいのですが、ASUSはROG Phoneの防水性能をアピールしておらず、ホームページの写真が差し替わったりもしました。そのためどの程度の防水性能があるのかわからない、またもし仮にIPX7の防水性能を持っていたとしてもRazerPhone2と同等もしくはIP6の防塵性能がある分RazerPhone2の方に分があるのではないでしょうか。
(2018年10月17日1:40追記:少なくともROG PhoneグローバルモデルはIPX4防水ということが判明しました。)
(2018年11月19日追記:日本モデルも同じようにIPX4でした)
充電:QC4.0+vsQC4.0&ASUS HyperCharge
バッテリー容量は共に4000mAhとなります。
RazerPhoneはQualcommのQuickCharge 4.0+に、ROG PhoneはQuickCharge 4.0及びASUS独自の充電規格ASUS HyperChargeにそれぞれ対応しています。QuickCharge 4.0+とQuickCharge 4.0の違いについて詳しくはないのですが、QuickCharge 4.0+のほうがQuickCharge 4.0よりも15%早くかつ発熱を抑えて充電可能だそうです。
(ケータイWatch:「ケータイ用語の基礎知識第812回:Quick Charge 4/Quick Charge 4+とは」参照)
実際の充電速度は、RazerPhone2が1%から50%に充電するのに30分
対するROG Phoneが(ASUS HyperChargeを用いての結果だと思いますが)0%から60%まで充電するのに35分と謳っています。
画像はUS版ROG Phoneの製品紹介(https://www.asus.com/us/Phone/ROG-Phone/)より
また、ROG PhoneはASUS HyperChargeを使うことで発熱を抑えることが可能としています。
一見、ROGPhoneのほうが有利に見えますがHyperChargeを用いずに充電した場合はQC4.0+であるRazerPhone2の方に分がありそうです。
充電規格の汎用性という点に関してはRazerPhone2のほうが有利です。
ASUS HyperChargeは専用の充電器を用いなければならないのに対して、RazerPhone2のQC4.0+はUSB PDだけでなくQC3.0やQC2.0とも互換性を持っているためQC対応の充電器を使えば、そのQCのバージョンに応じた充電速度で充電が可能です。
ROGPhoneのQC4.0はUSB PD対応のためにQC3.0、QC2.0との互換性を切っているらしいです。そのためQC4.0対応器以外で急速充電をしたければUSB PD対応製品を使うしかないようです。
(ケータイWatch:「ケータイ用語の基礎知識第812回:Quick Charge 4/Quick Charge 4+とは」参照)
また、QCだけでなくRazerPhone2はワイヤレス充電にも対応しているため汎用性に優れます。まあ、ワイヤレス充電には有線に比べて遅いだけでなく発熱というデメリットがあるのであまり好んで使おうとは思いませんが。
と、言うことでASUS独自規格が用意できる環境であればROG Phoneが有利、そうでなければRazerPhone2のほうが良いという話でした。
まあ、私にとって、ASUSの充電規格に振り回されるのは慣れっこなので別にいいのですが…結局QC3.0対応のモバイルバッテリーはZenFone5にしか活かされなかたなぁ(発表当時QC3.0にも対応するとされたZenFone3Deluxeだったが、後のアップデートでQC3.0が潰されASUS独自規格のBoostMasterでしか急速充電ができなくなり、発売前に喜び勇んで買ったモバイルバッテリーが無駄になったという苦い思い出があります。また、その後に出たZenFone4もやはりQCには対応しておらず、2018年に出たZenFone5でようやくQC対応を果たしました)
拡張性:ROG Phoneの勝ち
ここで言う拡張性は結構広い意味を持ちます。
まず、イヤフォンジャックですがRazerPhone2にはなくROGPhoneにはあります。
次にSDカードですが、RazerPhone2は1TBまでのMicroSDカードをサポートします。対するROG Phoneは拡張パーツであるTwinView DockがSDXC UHS-Iをサポートするため規格の上では2TBまで対応しています。本体ではなく拡張パーツにSDを挿した場合、どのような扱いになるのかわからないため、一概にROG Phoneに分があるとは言えません。また、普段使いの観点から言えばRazerPhone2のほうが便利と言えます。
また、これは蛇足ですがROG Phoneの内蔵ストレージがUFS2.1の128GBもしくは512GBなのに対しRazerPhone2はUFSの64GB(上位モデルであるサテンブラックでは128GB?)となっています。64GBというのももちろん気になりますが、UFS2.1と明言されていないのが気になります。昔、SamsungやHuaweiがUFS2.0か2.1かで大騒ぎになったことがありますが、それを彷彿とさせますね。一部製品だけUFS2.1で大半がUFS2.0という混在状態なのか、それともUFS2.0のみなのか、はたまた2.1と書き忘れただけなのか…気になります。
話がそれてしまいましたが拡張性の話に戻したいと思います。さて、前作RazerPhoneではProject Lindaに対応していましたが、現時点ではRazerPhone2が対応しているか分かりません(そもそもProject Lindaが発売されていませんが)対するROG PhoneはPCライクに使えるという点でMobile Desktop Dockを、2画面使えるという点ではTwinView Dockという拡張パーツがあります。スマートフォンという枠に縛られない拡張性という点では明らかにROG Phoneが勝っています。また、わざわざ拡張パーツを着けなくてもL/Rボタンに相当するエアートリガーがあるという点でもROG Phoneが有利です。
総評:やはりROG Phoneの勝ち
以上の理由から私はRazerPhone2ではなくROG Phoneを選びたいと思いました。まあ、そもそもRazerPhone2が日本で販売されるかわからないため、比べる意味があったのか怪しいですが…ご存知かも知れませんが、技適のないスマホを国内で使用するのは観光客でもない限り違法とされてているのでご注意ください。米国での価格がRazerPhone2が799$ROG Phoneの128GBが(10月18日に正式発表ですが)899$だそうです。